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「日本だからできる」

マルコ・アントニオ・マルティネス神父


 東京に行くといろいろなところで2016年のオリンピックを希望して大きなポスターを見ることがあります。そのポスターにこんな言葉があります。「日本だからできる」。


 私は日本に来てもう41年になりました。仙台教区、京都教区そして東京大司教区のいろいろな教会で働いてきました。この私が働いている日本はすぐれた芸術(ART)と技術(TECHNOLOGY)を持つ国として世界中に知られ、尊敬されています。そして私は日本で働きはじめたときからこのすぐれた芸術と技術を教会のなかで生かそうと勉めてきました。でもどの教会でも何か新しいことをはじめるとき必ず次の三つの条件がつけられます。


 (1)手間がかからないように


 (2)時間がかからないように


 (3)お金がかからないように


 だから、新しいことはせず、今までやってきたことをずーっと続けた方がよい。毎年同じことを繰り返せば安心で、間違いの危険は少ない。しかし、福音宣教のために思い切って何か新しいことをして、それを成し遂げたとき、みんなは喜びで、それまでの困難や苦労を忘れてしまう。そして喜びの輪は信徒から信徒へと広がっていきます。


 8月9日の「千葉地域平和祈願祭」はわが千葉寺の国際的な共同体にとって大きな証しの場でした。その日五大陸のロザリオと国際ミサが行われました。千葉寺教会が会場と決まったときから、役割分担を決め、それぞれに準備を始めました。私は責任者として心配でしたが、きっとやってくれるという確信もありました。8月9日の平和祈願祭には千葉地域の教会から約400名の信徒が千葉寺教会に集まりました。


 「五大陸のロザリオ」の祈りは日本の芸術と技術をもって立派にできたと思います。この祈りの仕方をはじめて経験した信者さんたちはたいへん感動しました。ロザリオの祈りを唱える人の声はいろいろでした。力強い男性の声、やさしい婦人の声、甲高い子どもの声、そして一所懸命に日本語で祈った外国人の声です。その声は私たち教会の声です。そして会衆のみなさんはその祈りの声を聞き取ろうと耳を澄ましています。この国際的なロザリオのためにいろいろな人が裏方を努めました。みんながそれぞれの技術と芸術を活かしました。壁に写す画像がよく見えるようにあの高い飾り窓をベニヤ板で覆いました。五大陸の色のついたカップの準備、祈りの間に移す映像の作成と編集、式次第の編集と印刷、みんな喜びのうちに準備しました。私はこのみんなの一所懸命な姿をみて、この教会の主任司祭であることを神さまと岡田大司教さまに感謝しました。


 この平和旬間の集いのロザリオとミサの準備と実行に携わって下さった信徒のみなさんに感謝と尊敬を払います。


 最後に一つの教会の信徒会長さんから聞いたことばで終わります。「こういう新しいことは、千葉寺だからできます。」


 神に感謝。

「シャローム」2009年09月号掲載

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